2006-01-01から1年間の記事一覧

中虐殺説?通説?

誰か、こんなのを「通説」と言って回っている人がいるのかな。 http://d.hatena.ne.jp/noharra/comment?date=20060929#c 『rajimania 大虐殺:20万人以上の虐殺(笠原教授) 中虐殺:10数万人程度の虐殺(吉田裕教授) 小虐殺:5万人から6万人程度の虐…

まだ観ていない「ハイビジョン特集「日中戦争 兵士は戦場で何を見たのか」

http://ono-blog.cocolog-nifty.com/sikou/2006/10/post_a772.html経由で知りました。 8月に、「日中戦争?なぜ戦争は拡大したのか?」と題してNHKスペシャルで放送されたものが、35分ほど、時間枠を拡大して、この9月に「ハイビジョン特集「日中戦争 …

キリング・ジョークにはまる

またまた700円で中古盤を買ったのですが、歌詞は徹底してネオリベ批判。あ、91年の作品だからネオリベという概念が生まれる前なのかな。Extremities, Dirt And Various Repressed Emotionsアーティスト: Killing Joke出版社/メーカー: Noise発売日: 1998/10/…

なぜ、南京において大規模な虐殺暴行事件が起きたか(メモ)

少しリフレッシュ休暇していました(ブログ界から)。 昨日某ディスクユニオンで浅井健一の新譜を試聴して少し元気回復、しかし試聴で大満足して買わず(笑)に店を出てしまった(笑)。で、買ったのが600円で買った中古のキリング・ジョークKilling Joke(…

「美しい国」と「ミリオンダラー・ベイビー」をめぐって

クリント・イーストウッド関連で。 araigさんの「安倍晋三は「ミリオンダラー・ベイビー」をとりあげたばかりにその盲目性を晒してしまった」http://d.hatena.ne.jp/araignet/20060915より。 主人公のクリント・イーストウッドの演じる老トレーナーが自分の…

遊就館が語る物語よりもずっと悲惨な「国民の悲劇」

某ブログでの拙コメントを転載。 「ほめてごまかすメソッド」によって美化される前の、むき出しの「悲劇」に向き合うべきだ。 遊就館は日本の戦争を「自存自衛のための戦い」と位置づけていますが、しかし1937年から8年続いた「日中戦争」は「自存自衛のため…

「国」ではない「公共圏」で「動員されて死んだ者」を追悼する(メモ)

「動員されて死んだ者」を追悼しなければならない、ということを前提としよう。 しかし、それは「国家」によって追悼されるべきか? 国立の施設にて追悼されるべきか?「動員した側」である国家が「動員されて死んだ者」を追悼する、という形態を採用する限…

靖国神社と「ほめてごまかすメソッド」追補編1

靖国神社と「ほめてごまかすメソッド」に多くのコメントとブックマークコメントをいただきました。それらに触発されて追補を書こうと思いましたが、いろいろな方向に考えが進んで1回のエントリにまとめきれませんので、少しず追補します。最初に、D_Amonさん…

「お前の祖父はどうせ便衣隊だろう(だから殺されて当たり前だ)」???

「日中の行き違い 「南京大虐殺」」及び「日中の行き違い 「南京大虐殺」結末編」というエントリを見つけたのだが、読んで一瞬寒気が走った。 http://blog.goo.ne.jp/oyamanotai/e/eb5091d974cf63b694c23a85c3bae9ae http://blog.goo.ne.jp/oyamanotai/e/911…

「六十年経っても癒されない彼らのこの圧倒的他者性」

野原さんは水木しげるの作品を紹介しつつ考察されている。 http://d.hatena.ne.jp/noharra/20060902 http://d.hatena.ne.jp/noharra/20060819#p4に書いたのは、その晩のできごと。骸骨たちは集団で起きあがり、わざわざはるばる現地に来た水木に襲いかかる。…

靖国神社と「ほめてごまかすメソッド」

もう少し靖国問題で。しかし今日とりあげるのは、靖国神社に限られるわけではない、国民国家ならばどの国家も行いうる(実際に行っている)メソッドの問題である。今日の安倍晋三氏の発言をみると、戦死者に対して「尊崇」という言葉が使われていた。 http:/…

軽視される「(小泉氏の)国立戦没者追悼施設構想への冷淡さ」

小泉首相の参拝問題については、「靖国参拝への固執」と「国立戦没者追悼施設構想への冷淡さ」、この2つのコントラストをセットで考えるべきではないだろうか。 にもかかわらず、「不戦の誓いだから問題ないでしょう」といった主張の多くは、小泉首相が「国…

「反」靖国というよりは「脱」靖国のストラテジー

ブックマークより。http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060828/p1 kurokuragawa 靖国, 宗教 全肯定も全否定も無理です http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060829/p1 shin-ohara んー。云いたい…

「靖国参拝=戦没者慰霊の正統的方法」というマインドコントロール

戦前の国家神道の時代では、靖国神社は公的な宗教施設であり、靖国参拝は戦没者慰霊における「正統的方法」だった。 しかし、戦後、靖国神社はひとつの新興宗教にすぎなくなった。 いま、靖国参拝は「戦没者追悼」の一形態にすぎず、決してスタンダードでも…

餓死した兵士を供養する/追悼するという難問に、どう向き合うのか

昨日書いたことの再確認になるが、 ・靖国参拝が戦死者追悼の唯一の方法ではない。 ・死んだ者の魂は「靖国に眠っている」とは限らない。確かめようがない。 そういう不確かさの中で、(戦死者を追悼しようと欲する者は)どこで、どのような追悼の方法を選択…

「戦地で死んだ者を追悼する」イコール「靖国参拝」ではない

戦地で死んだ者の霊はどこにいるのか、本当は誰にもわからない。*1 靖国神社は戦死者をひとまとめに「合祀」していると言うけど、ひとりひとりの「霊」が靖国神社に集まっているという客観的根拠はない。 いや、「霊」はいろいろなところにいる、だけど靖国…

神隠し、ならぬ「遊就館隠し」現象?

26日に引用したマッコイさんの以下の発言に対して、私の思ったこと。 保守派のあいだにもここを誤解している人が結構いて、靖国を「反戦のための神社」だとか(曽野綾子)、「不戦の誓いをする場」だとか(小泉首相その他大勢)、「戦争を反省する場所」とか…

ある靖国神社支持者の考え

マッコイ博士の見解。 http://d.hatena.ne.jp/drmccoy/20060825 てっくさんのコメント欄でも「そもそも慰霊と鎮魂の場であるべき靖国神社に戦争博物館があるのは座りが良くないと思います」などと書いている人もいましたが、これも誤解です。靖国は慰霊と鎮…

靖国問題と憲法改正問題の接点(私見)

再度kechackさんの「Munchener Brucke」より引用するが http://d.hatena.ne.jp/kechack/20060822 靖国参拝の是非が中韓の圧力への嫌悪の問題にすり変わってしまっている。 日本が戦争責任論まで外圧嫌悪感情を利用して曖昧にしようとする工作には徹底して抗…

戦争責任を「敗戦責任」に矮小化させるメソッド

首相の靖国参拝を支持する人は、日中戦争等に国民を動員した戦争指導者の責任をどう考えているのだろうか。 http://mrkt.blog11.fc2.com/blog-entry-484.htmlにコメントしてみる。*1 ブログ主KTさんの主張(エントリより) いわゆるA級戦犯合祀など、この靖…

ヨージ・ヤマモト、NHK「視点・論点」で戦争について語る

山本燿司さん、NHK「視点・論点」の「文学の中の戦争」シリーズの7回目に出演。 自分の文章を淡々と読み上げる。父が南方戦線で死に(餓死と述べたかどうかははっきり覚えていないが、補給船すらなかったことには言及していた)、母ががむしゃらに働いて子を…

「戦争動員責任」と「戦争協力責任」

話が前後するが、http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060817/p1の補足。 「戦争協力責任」という概念を加える。 いわゆる「二分論」における「動員された一般国民」も、軽重の差はあれ戦争に協力/加担したという事実は消えないだろう。

1941年に始まっていた?「日中戦争の忘却」(または大東亜戦争正当論に見られる概念操作)

http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060819/p1#cでのコメント、ありがとうございました。とくにスワンさんの問題提起は重要ですが、少し自分の中で消化途中ですので、とりあえず自分のコメントを再掲します。 一般国民が(動員されることで)日中戦争に加担…

日中戦争に関する「二分論」はこのまま葬り去られるのか?(メモ)

http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20060809/p2#cよりswan_slabさんの発言。 swan_slab (略) 木走氏のエントリコメント欄はその後、お約束といっていい、歴史相対主義的な議論、仕方がなかった論、人間の性論の洗礼をへているわけですが、「ヒトラーよりスター…

再び「エスピー報告」の悪質トリミング問題について

既に多くの人が指摘していることですが、南京事件をめぐるアメリカの「エスピー報告」のトリミング問題について。(本ブログでは2回目) 太字の部分がトリミングされてしまいがちな部分です。 南京米大使館・作成者 米副領事 ジェームス・エスビー 確認者 3…

「日中戦争を直視しない現象」

さて「戦争動員責任」をどう考えるか、という論点は「自衛戦争」だったのか否か、という論点に直結している。「自衛戦争だった」認識ならば(戦争指導者や靖国神社の)戦争動員責任はスルーできるが、「自衛戦争とはいえない」認識ならば(戦争指導者や靖国…

靖国神社自体も「戦争動員責任」があるはずだ

さらにスルーされがちな問題として、靖国神社自体が「戦争動員システム」の一翼を担ってきたという歴史的事実がある。つまり、靖国神社自体も「戦争動員責任」があるはずだ。

「戦争動員責任を直視しない」現象

さて、全国戦没者追悼式で、国会の代表者(衆院議長)が、はじめて「戦争動員責任」に言及した。 画期的であると同時に、これまでの60年政府や国会が「戦争動員責任」をスルーしてきた、という事実を直視する必要がある。 河野洋平衆院議長は15日、全国戦…

戦争動員責任と侵略行為責任

「戦争責任」という概念は曖昧に用いられることが多い。 そこで、自国国民への「戦争動員責任」と、他国国民への「侵略行為責任」という2つの概念を用いる。

NHKスペシャル「日中戦争」を見ました(3)…逃亡兵=便衣兵と勝手に解釈してはいけないでしょう

http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20060814/1155505691での、南京事件の「便衣兵」をめぐるfinalventさんと私とのやりとりを転載します。 きっかけはfinalventさんの、NHKスペシャル「日中戦争」に対する要約の、以下の記述。 南京で便衣兵が多かったと解せ…