2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ネット上で偽造された史料が「南京事件ありえなかった」説の土壌に

前回確認したのが、apemanさんやジムシイさんが相手している否定派の人たちが、歴史学者の書いた概説書を全く読んでなさそう、ということだった。 彼ら否定派の人たちは日中戦争においても「日本軍の軍紀規律」は比較的厳正だったと認識している。その根拠の…

「クッキーと紅茶と」というタイトルについて

そういえば一度も説明していませんでしたが、これは広尾駅に着いてから、有栖川宮公園の手前の「ブルディガラ」でお菓子を買って、都立中央図書館に行って書籍のコピーをとって、家に帰ってクッキーと紅茶を傍らにコピーを読む…という日々の日記というつもり…

ブックレビュー書きました。が…

先月、「南京事件 国民党極秘文書から読み解く」(東中野 修道)のレビューを書いたのです。http://72.14.235.104/search?q=cache:eGkJMwKhmpoJ:www.amazon.co.jp/gp/product/customer-reviews/479421488X+南京 青狐&hl=ja&ct=clnk&cd=20&client=safari 論証…

レッチリ

今日フジロックのグリーンステージ。自分は昨日ミュージック・ステーションで演奏した「ダニ・カリフォルニア」を繰り返し観ながら我慢。死んでしまった「カリフォルニア」という名の女性を悼む歌だったのですね。

概説書を読まずに南京大虐殺はありえないと言い出す現象(実例1)

http://adon-k.seesaa.net/article/18421170.htmlの議論は現在ジムシイさん、apemanさん、十条さんたちが参加しているが、相手をしている否定派(と思われる)人たちについてのメモ。 否定派の人がみんな概説書を読んでいないようなのだ。

小川法務官が見た日本軍の民間人(または捕虜)虐待

「山川草木全て敵なり」と柳川司令官が演説をぶったとされる第十軍、その第十軍の法務部長だった小川関治郎氏の、1937年12月11日の日記の記述。

日本軍の給養体制の問題と「家を壊して薪にし、飯盒炊飯した」兵士たち

雨は降るし、飯盒炊事するにも薪はない。手当り次第に家を壊して焚く(1937年11月17日) 上は吉田裕「日本の軍隊」(岩波新書)174頁所収、歩兵第33聯隊(第十六師団、歩兵第30旅団傘下)の召集兵だった高島市良氏の日記の記述。

TBいただく

拙ブログにTBされた「rurubu」さんのhttp://orange.ap.teacup.com/rurubu/1.html APEMANさんのところにTBされていた「うちゃ」さんのhttp://uchyax.exblog.jp/4198045それぞれ触発される点が多く、また過分なお褒めの言葉をいただいて恐縮することしかりです…

第十軍司令官の「山川草木全部敵なり」発言と、その背後にある恐怖感

第十軍司令官・柳川平助中将*1の発言について考察する前に、既に紹介した第十軍参謀部作成の作戦案(「昭和十二年十一月三十日付けの南京攻略に関する意見送付の件、丁集団参謀長発次官あて」)を再び再掲。 南京ヲ急襲ニヨリ奪取シ得エザル場合ノ攻略案 此…

山田少将の日記に記された内容

日本軍の不軍紀行為については、以下のサイトに多数の事例が書かれている。 http://www10.ocn.ne.jp/~war/rape.htmちなみに、幕府山事件で有名な「山田支隊」の山田少将の日記の記述も引用されています。 予後備兵の不軍紀行為について。 1.敬礼せず 2.…

「略奪、強姦は軍の常だよ」と述べた中島今朝吾・第十六師団長

では、南京での不軍紀行為の頻発は突然変異的な現象だったのか。 注目すべきは、阿南大将の報告を受けての田中軍事課長の所見である。田中はこう記している。 陸軍内部における多年の積弊が支那事変を通じて如実に露呈せられたものとみるべく、その百弊ウン…

日本軍は軍紀厳格だった、らしい(これでもねぇ)

日中戦争において「日本軍は軍紀厳格」「日本軍は規律厳正」「日本軍は国際法を基本的に遵守」などと述べる人って、実在するのですね。すごいなあ。ちなみに秦郁彦「南京事件」(中公新書)、ウェブサイト「南京事件 小さな資料集」、及び「クッキーと紅茶と…

(メモ)概説書を読まずに南京大虐殺はありえないと言い出す現象

最近は「社会現象としての南京事件否定派」という問題意識でいろいろ考えている。 その現象の中で多発しているのが「概説書を読まずに南京大虐殺はありえないと言い出す現象」である。考えがまとまり次第、続きを書く予定。

阿南惟幾・陸軍省人事局長の報告/田中新一・陸軍省軍事課長の所見

同じく「現代歴史学と南京事件」13頁より、田中新一・陸軍省軍事課長の記録「支那事変記録 其の四」(防衛研究所戦史部所蔵)の、1938年1月12日の陸軍省局長会議における阿南惟幾・陸軍省人事局長の報告を紹介します。 阿南大将は、(秦幾彦「南京事件」を読…

捕虜殺害/死体の揚子江投棄を目撃した早尾乕雄陸軍中尉

「現代歴史学と南京事件」13頁所収、最近になって防衛研究所戦史部図書館で公開された、早尾乕雄陸軍中尉(金沢医科大学教授)が1938年5月に書いたレポート『戦場心理ノ研究−総論−』の一節を転載します。 余ガ南京へ入ツタノハ陥落後一週間デアツタカラ市街…

(リンク)夏淑琴さん事件の証言集

ゆうさんの「南京事件 小さな資料集」に、「夏淑琴さん事件の証言集」が追加されました。 http://www.geocities.jp/yu77799/siryoushuu/kashukukinshougen.htmlkkさんの「南京事件資料集」の「夏淑琴関連」のコーナーと併せると、同事件の証言がほぼ網羅され…

「岡村寧次陣中感想録」と「空とぼけメソッド」

先日の「「岡村寧次大将陣中感想録」と「読みたくない字は読まないメソッド」」というエントリに対するADON-K さんの反応について。 拙エントリのポイントは3点だった。簡潔に紹介すると、 (1)「岡村寧次大将陣中感想録」の「南京攻略戦に於て約四、五万に…

「岡村寧次大将資料」と「空とぼけメソッド」

以前から知られている「岡村寧次大将資料」についても、「読みたくない文字は読めない」メソッド・「空とぼけ」メソッドが行われたという事例。 昨年12月、野良猫さんとの議論にて。 発端はAPEMANさんの以下の発言。 特に予備役・後備役兵にみられた軍紀弛緩…

野良猫さん、本気で「全面敗北宣言」宣告を準備?

http://adon-k.seesaa.net/article/18421170.htmlコメント欄。 6月23日。 まず「肯定派」の人間は、どの知識人を最も信頼して持論のベースとしているのか。そこを述べるべきだ。それだけ語れるなら「大虐殺派」か「中間派」くらいの区別はつくはず。ちゃんと…

青狐対「南京事件はなかった』系ブロガー;対立軸はどこにあった?(1)

あまりに断片的なエントリで恐縮ですが、煙さんのブログでの拙コメントを転載。 http://d.hatena.ne.jp/kemu-ri/20060709/1152391077#c この議論の契機は、例の野良猫さんの「全面敗北宣言」なのだが、(この「全面敗北宣言」という言葉、NaknishiBさんのと…

櫻井よしこさん、南京事件に関してまたもやいい加減な発言

櫻井よしこさんは、読んでいない本を根拠に「南京大虐殺は虚構」と述べているのか、それとも読んだうえでデマを流しているのか、どっちなのだろうか。週刊新潮掲載の「中国の陰謀、カナダの反日教育」 http://blog.yoshiko-sakurai.jp/archives/2006/06/post…

「岡村寧次大将陣中感想録」と「読みたくない字は読まないメソッド」?

「岡村寧次大将陣中感想録」には驚くほど多数のアクセスをいただきました。 いっぽう、以下のような受け取り方をされる人もいる。この間議論をしているADON-Kさんだが、これほど重要な史料に対してこんな受け取り方をされては、議論のしようがないと思う。ht…

南京事件の「日本軍の毒ガス攻撃案」の存在を日本政府が国会で言及していた

南京事件をめぐる国会質疑でもう1件。 2005年(平成17年)6月2日「参議院 外交防衛委員会(平成17年6月2日)での質疑記録」において、政府側答弁は「昭和十二年十一月三十日付けの南京攻略に関する意見送付の件、丁集団参謀長発次官あて」に言及していた。参…

「南京攻略時に約四、五万に上る大殺戮」(岡村第十一軍司令官が宮崎参謀・原田少将・萩原中佐より聴取した内容)

第十一軍総司令官として武漢戦を率いた岡村寧次大将が南京事件について受けた報告については、これまでも何度も紹介してきたが、その後発見された史料にははっきりと「約4〜5万の大殺戮」と明記されていた。 「現代歴史学と南京事件」(笠原/吉田編著、柏書…