概説書を読まずに南京大虐殺はありえないと言い出す現象(実例1)

http://adon-k.seesaa.net/article/18421170.htmlの議論は現在ジムシイさん、apemanさん、十条さんたちが参加しているが、相手をしている否定派(と思われる)人たちについてのメモ。
否定派の人がみんな概説書を読んでいないようなのだ。



●野良猫さん
まず、野良猫さんは秦郁彦南京事件」を読んでいないのは間違いない。
きちんと読んでいたら、「日本軍で南京城内に入ったのは第十六師団だけ」などというトンデモな間違いを発言することはなかったはず。

実際には、煙さんが述べている通り、南京城内に入ったのは5個師団に及ぶ。
http://d.hatena.ne.jp/kemu-ri/20060724

(なお、ja2047さんが紹介された史料によると、第九師団の歩兵第7聯隊に至っては安全区の中に居座っていた)
http://t-t-japan.com/bbs2/c-board.cgi?cmd=one;no=470;id=imgbord#470

さらに野良猫さんは、(昨年12月に議論した時点では)笠原十九司南京事件』も読んでいなかった。同書の内容を歪曲して引用し持説の論拠にし、さらに歪曲していたこと自体に気が付かなかった。
http://d.hatena.ne.jp/kemu-ri/20060707参照


●ADON-Kさん
ブログ主のADON-Kさんも、秦郁彦南京事件」を読んでいないようだ。読んでいないまま議論に参加している。

国際法違反のイペリットガス攻撃を平然と作戦案に盛り込む第十軍は、遵法精神が高かったとは到底思えないのですが、異論はございますでしょうか。
Posted by 十条 at 2006年07月25日 01:52

ところで参考までにその作戦ソース元が知りたくて、ちょっと検索してみたのですが『集団司令部作成 「南京攻略二関スル意見」』らしいという掲示板の情報でしか解りませんでした。
もしソース元がご存じであれば教えてもらえますか?
Posted by ADON-K at 2006年07月24日 06:18

秦郁彦南京事件」(中公新書)に載っていますよ。読んでいないのですか?
Posted by 十条 at 2006年07月25日 01:57

秦郁彦南京事件」(中公新書)に載っていますよ。
 それは知りませんでした。ありがとうございます。
Posted by ADON-K at 2006年07月25日 03:38


●リューシーさん
リューシーさんも秦郁彦南京事件」(中公新書)を読んでいないようだ。というかこの人の場合、南京事件について初歩の初歩も知らない状態で議論に参加している。

支那南京大虐殺が起きた(と勝手にほざいている)時点で中立国に現場を公開して実施検証してもらえばよかったのです。
実際、カチンの森で濡れ衣を着せられたドイツは戦時中でも世界中のジャーナリストや医者などを招いて捜査してましたし。
まあ支那の場合、最初から言いがかりつけるのが目的だったからやらないのは当然というわけですな(笑
Posted by リューシー at 2006年07月26日 22:21

中華民国の人間が南京の地に足を踏み入れることができたのは、日中戦争終結後、南京事件から7年以上経た後だ。それまではずっと日本軍の実効支配下にあったから中立国の検証など依頼できるわけがない。


●ディケルス提督さん
既にリタイアされたようだが、ディケルス提督さんも同様だろう。
もし、秦「南京事件」を読んで、日本軍の軍紀弛緩の実相(とりわけ176頁の天野郷三中尉の事例など)を読んでいたら、以下の発言はなかったはずだ。

>日本軍は一貫して「国際法を基本的に遵守」していたとお考えですか?

はい。

>時期によって変化があったとお考えですか?

無論です。結論から先に言えば、北清事変時の日本軍の遵法精神を100点満点とすると、支那事変以降のそれは大きく低下して、まぁ80点ぐらいで、同時代の支那軍、ソ連軍、アメリカ軍は0点以下といったところでしょう。

Posted by ディケルス提督 at 2006年07月14日 07:10

つまり、同コメント欄の「否定派」の主要な人が全て(歴史学者の書いた)概説書を読んでいない(ことはほぼ疑いない)。にもかかわらず論陣を張っている。つまり歴史学者の本を読まないで論陣を張っているわけだ。
客観的には、かなり奇異な現象だと思う。


こういう人たちを一度に相手しているapemanさんの苦労は想像に余りある。