拡散希望;フリーター労組の「福島原発事故に関する声明」にはいくつもの重要な論点が出されている

いくつもの重要な論点が出されていると思ったので、全文を転載する。
原子力被災者への補償」「事業補償」「情報被曝」などの論点。
拡散希望

http://d.hatena.ne.jp/spiders_nest/20110317/1300289557

福島原発事故に関する声明
---グスコーブドリのいないイーハトーヴはいらない


「想定外の事態」。このひとことで、数万におよび人々の死が合理化されてい
る。数十万の人々を放射能被害にさらし、なお数百万の人の暮らしを破壊し続け
ている人災、そう、繰り返し言うが最悪の人災が僅かこのひとことで合理化され
ている。


いま生じている事態は、なんら想定外のことではなかったはずだ。幾人もが、こ
の事態を繰り返し予測し警告してきた。地震津波被害にともなう原子力発電所
の激甚事故、水素爆発も炉心溶融放射性物質の大規模な飛散も、反原発運動や
原子力の専門家のみならず、多くの人々が指摘してきたことである。


被害は折り込まれていたのである。


東京をはじめとする大都市のエネルギー消費を支えるために、地方に住む数百万
の人々は放射性物質の前に曝し出されている。地方の人々の暮らしを壊すこと
で、沖縄電力をのぞくすべての電力会社は安定した利益を確保し続けてきた。こ
のビジネスを成立させるために、地域独占を許し原発建設に有利な法制度をつく
りあげ、各電力会社を支援してきた日本政府も当然の責を問われる。電力各社と
日本政府はいまそのつけを支払わなければならない。


日本政府と東京電力は、まず何よりもいま、福島原発で取り組まれつつ隠されて
いる労働のすべてを子細に公開すべきだ。たとえば冷却水注入作業のために、誰
がどこをどのように走り、管をつなぎ、バルブを開けたのか。放射能に汚染され
た飛沫を誰がふき取り、ふき取ることを誰が命じているのか。これは英雄譚を作
り出すためではなく、そこで働く人々をグスコーブドリにして褒め称える醜悪さ
を私たちが克服するための要求だ。「数千万の命を救う」ために自らは決してし
ない仕事を、原発労働者に求めるおぞましいまでの冷酷さから私たちは遠ざから
なければならない。死を強制される労働の拒否こそ私たちは支えるべきである。


いま私たちは「原子力被災者」になろうとしている。各地の原発で生命を危険に
さらして働いてきた人々、爆発事故に伴う被曝で今後長期間にわたる健康リスク
に向き合わなければならない人々の被災がまずある。だが原子力被災はこれにと
どまらない。福島原発の爆発は、今後長期にわたって東北地方の農業に打撃を与
え、安全な食料の価格を高騰させるだろう。都市貧困層は確実に食の安全から排
除される。原発の停止によって電力供給が不足し、輪番停電が実施されている
が、それに伴う事業所の閉鎖や休業が相次いでいる。都市貧困層はこれによる失
職と賃金カットに見舞われ購買力を低下させるだろう。私たちは被災者なのである。


日本政府と全電力会社はすべての原子力発電所を直ちに停止せよ。
人の生命を貪るビジネスから撤退しろ。
東京電力はすべての原子力被災者に補償せよ。
被曝したすべての人々に今後の全健康被害を回復するまでの医療費と生活費を補
償せよ。
原発事故のために閉鎖や休業を余儀なくされたすべての事業者の売り上げを補填
せよ。
失業や休業、賃金カットに追い込まれた人々の損害を補償せよ。


直接の被害を受けずにいるすべての人々に私たちは呼びかける。圧倒的な津波
火災のスペクタクル、圧力容器内の水位を伝える字幕の数々、御用学者の言う
「直ちに健康被害はないレベルです」というコメント、これらの無限ループ映像
に曝される日々から抜け出そう。この「情報被曝」は私たちに「祈るしかない」
という無力感を作り出し、今回の事態に責任を負うべき者や制度をあいまいにす
る政府・電力会社の言いわけへの同意を作り出している。いっときも早く、この
「情報被曝」による被災から回復し、責任者を名指し追求することが必要である
と私たちは考える。


2011年3月17日
フリーター全般労働組合

東京電力はこのように安全性をPRしていた

「国や専門家の言うことを信用しろ」などという発言が出回っているが、
専門家の言うことにウソがないのなら、そもそも今回のような事態は起こっていないはず。

東京電力のPRサイトには、こう書かれている。

東京電力地震対策について」
http://www.tepco.co.jp/nu/knowledge/quake/index-j.html#anchor4
同「多重防護」
http://www.tepco.co.jp/nu/knowledge/safety/safety01-j.html
以下一部引用。

1.非常用炉心冷却装置(ECCS)
 原子力発電所では一次冷却系主配管の瞬間的破断により原子炉の水がなくなるという事故などを想定し、非常用炉心冷却装置や原子炉格納容器が設けられています。まさかの事故の場合でも、燃料を水づけにして冷却するとともに、格納容器スプレー系によって、格納容器内に漏れた蒸気を冷却、凝縮させて格納容器内の圧力を下げ、気体状となっている放射性物質を大幅に減少させます。さらに残留している放射性物質は、非常用フィルターをとおして低減させるようにしています。
(ECCS:Emergency Core Cooling System)
2.五重の障壁
 原子力発電所では環境への放射性物質の放出を極力抑制するため「五重の障壁」によって放射性物質を閉じこめています。
(以下略)

ECCSが作動しなかった場合の方法については、何一つ説明がない。
では、ECCSはどんなときでも必ず作動するものかといえば、それは今回の事態が示しているとおり。
早い話、東京電力は、現地の人、日本に住む人すべてを欺いてきたのだ。

かつての親友は大熊町の出身だ。
福島原発は、福島で使われる電力ではなく、首都圏で使われる電力のために発電していた。
東北電力発電所ではない、東京電力発電所なのだ。

国も同罪である。
経済産業省の外局である原子力安全保安院福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所の耐震安全性について」
http://www.pref.fukushima.jp/nuclear/info/pdf_files/100805-13.pdf

博物館問題? 何だよそれ

藤岡信勝氏が、博物館を新たなターゲットとし始めたようだ。

産経新聞記事より。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110301/art11030103040001-n1.htm

政治学者、ベネディクト・アンダーソン氏は、近代国民国家を「想像の共同体」であるとし、その形成に貢献する装置の一つとして博物館をあげた。戦後独立した東南アジア諸国で博物館が増殖していることは、国民国家が形成途上であることを意味する。

 中国では、日本が累積数兆円にも及ぶ対中ODAをせっせと貢いでいるさなかの1990年代、江沢民国家主席が号令を発して全国300カ所の反日博物館をつくり、「愛国教育基地」と称した。その内容は反日のお化け屋敷で、それを利用した反日思想教育によって、抗日戦争に勝利したのは共産党の功績であるというフィクションを国民に信じ込ませ、天安門事件以来揺らいだ共産党政権の正統性を担保しようとした。

 ところが、日本では、国民の税金でつくった博物館で、国民を分断し、国民国家を解体する愚挙が行われている。博物館問題は教科書問題と並んで、国家の存立にかかわるテーマなのである。

 千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館(略称・歴博)。年間予算21億円の研究機関である。その歴博に「現代」をカバーする第6展示室が開設されたのは、昨年3月のことだった。中に、沖縄戦集団自決の展示があり、〈犠牲者のなかには戦闘ばかりでなく、「集団自決」に追い込まれた人々もいた〉と説明されていた。

 ≪歴博の不可解な展示見直し≫

 だが、奇怪なことに、博物館は展示のオープン前後に盛んに記者会見し、展示責任者の安田常雄副館長は、集団自決の展示見直しを口にした。呼応するかのように沖縄左翼が例の抗議活動を行い、今年1月5日、展示はリニューアル・オープンして、説明文は、次のような長文に変更された。

 〈沖縄戦の犠牲者の中には、戦闘ばかりでなく、「集団自決」による死者が含まれていた。米軍の上陸後、住民たちはガマ(自然洞窟)などに避難した。そして投降を促す米軍からの呼びかけを前に、「集団自決」をはかった人々が数多くいた。その背景には、米軍に対する住民の恐怖心のほか、日本軍により軍民一体化が推し進められるなかで、米軍に投降すべきでないとの観念が一般にも浸透したこと、そして手りゅう弾の配布に示される軍人の指示など、住民の意思決定を左右する沖縄戦特有のさまざまな要因があった。〉

ところで、冒頭に「想像の共同体」をもってきているが、これって自分の首を絞めているように思うのですが。
「国家の存立」に関わるといって危機感を煽っても、それってつまり「想像の共同体の存亡の危機」でしかない、ということを同じ文章の中でにじませてしまっているわけで、

さて本論のほうだが、特に目新しいものはない。

≪印象付けられた手榴弾配布≫

 これは重大な改悪である。新しい説明文は、「軍人が手榴(しゅりゅう)弾を配布して住民に集団自決するように指示した」と読める。軍人が「さあ、ここで自決しなさい」と言って、住民に手榴弾を配っている場面がイメージとして浮かぶ。だが、そのような事実はない。

 この度、変更された展示の文章には、用語上のトリックが2つ用いられている。1つは、「軍人」という言葉を使い、軍の正規の命令と区別することで、歴博は「軍命令説」はとっていないと弁明できるようにした点である。

 しかし、「軍」と「軍人」を頭の中で分けた上で展示文を読む参観者はいない。参観者は、「軍人が指示した」という文意から、必然的に「軍が指示した」と読むのである。歴博はそれを見越して、用語を使ったと思われる。

 もう1つは、「指示」という新しい言葉を使ったことである。館側の説明によれば、「関与」は幅の広い概念だから、使用を避けたということであり、それは一つの見識であると評価できる。

 ≪文科省認定の関与という魔語≫

 平成19年に問題となった高校歴史教科書の検定では、日本軍による「命令」や「強制」は根拠がないとして否定された。しかし、軍の「関与」はあったと文部科学省が積極的に認めたことにより、再検定の結果、かえって教科書の反軍的記述が大増殖したのである。文科相の国会答弁を引き出したのは、現首相の菅直人民主党代表その人だった。「関与」は教科書を劣化させた魔語であった。

 だが、「指示」ならよいかというと、もっとよくないのである。「指示」は「命令」より軽いが、「命令」よりさらに具体的・個別的な行為を示す言葉である。

 しかも、展示文は集団自決に至った要因を列挙する際に、「手りゅう弾の配布」を最後に置き、それこそが集団自決の最も決定的要因であったかのように読者が印象付けられる、修辞的効果を持たせている。誤った事実認識と悪逆非道な日本軍イメージの定着を狙ってつくられた苦心の作文であり、事実からかけ離れている。

 座間味島の梅澤隊長は「自決するな」と住民を説得したし、渡嘉敷島の赤松隊長は住民が自決に及んだことを知ると「何という早まったことをしてくれたのか」と嘆き悲しんだ。日本軍将兵は一貫して住民が無事に生き残るように願い励ましていたのである。

 筆者が会長を務める「新しい歴史教科書をつくる会」が歴博を現地調査した結果、沖縄集団自決にとどまらず、近現代史全般にわたり反日自虐史観の偏向展示に貫かれていることが分かった。看過できない重大問題である。(ふじおか のぶかつ)

大統領派がエジプト古代博物館に火炎瓶をなげはじめたため、反大統領派が博物館をまもろうとして、ケガや大ヤケドをおってるらしい

イルコモンズさんのブログ経由で。

http://www.youtube.com/watch?v=iPYCN4AT6TM

同じくイルコモンズさんのブログより。
http://illcomm.exblog.jp/12794671/

いま世界はこんなふうにエジプトの人たちのたたかいを見守っている。自分の観光旅行や株価のことなど頭にないはずだ。エジプトはあなたの観光旅行や投資のためにあるのではない。

http://illcomm.exblog.jp/12801243/

 革命のさなかのラハリール広場、いくぶん緊張した面持ちながらも、そのことばの端々には、「自分たちのとった行動はまちがってない」という確信と決意があふれている。時折こぼれる笑顔が輝いてみえるのは、陽光のせいばかりではないと思う。とざされていた未来が少しづつひらきはじめてきたことが、彼女の顔を輝かせているのだろう。これまで「革命とはなにか」を語ることばは、たいてい男たちのもので、それはどこかいかめしく、窮屈なものが多かったが、彼女のことばからは「革命とはどんな感じ」のものかが伝わってきた。革命とはこんなふうに人を生き生きとさせるものなのだ。すでにこの革命で多くの血が流れ、多くの命が奪われた。だからなおのこと、この革命が、それを起こした人たちにとって納得できるかたちで、最後までなしとげられることを願わずにいられない。

レイシストが歴史を語ると、このような珍説を繰り出すという例

潜水艦さん(野良猫さんと同一人物という説がある)のレイシズム発言、ミソジニー発言はこれまでも何度も取り上げてきたが、またまた素晴らしすぎる発言があったので御紹介。
「太平洋戦争に至ったのは植民地朝鮮のせい」史観と命名しておこう。

ちなみに、いまだに私は名指しされています(笑) ※太字部分

http://blog.goo.ne.jp/ojisannsama/e/b62a11a2977ae7742974b9c9e1ed22d9

韓国のバイオハザード(´ー`)y-~~ (潜水艦)
2011-01-27 02:49:08

たまたま見つけたんだが、韓国のバイオハザードはこわいねぇ・・。

韓国の口蹄疫
http://kuromacyo.livedoor.biz/archives/1392533.html

地図で言うともう「全土が真っ赤」なんだそうな。
このままだと肉類どころか、乳製品すら入手困難な韓国になるかもしれんね・・。もともと、宮崎の口蹄疫も「韓国発ウイルス」だったそうだが、全然そのへん追求報道とかされてないし、これだけ隣国で疫病蔓延してるのに、日本側で「渡航規制」とか「空港での徹底殺菌」みたいな水際阻止をやってる話も聞かない。

ホントに不思議なことだねぇ。
これもまた「韓国様への特別配慮」なのかしらん?
(´ー`)y-~~

どんなに畜産関係者が注意してても、アホな韓国旅行客とか韓国人観光客がウイルスつけたまま日本に来れば、たちまち再度のバイオハザードになりかねん。
こんな調子だと、映画とか漫画で「韓国発のゾンビ症候群が発生。しかしサヨク政権は配慮して防疫対策せず。日本中が大パニック。」なんてシナリオが登場しそうだ。

いやいや、これも「韓国様だけの特別配慮」が発動してそのへんだけ「改変」されちゃうのかな?
soran00は韓国大好きっぽいけどどう思うね?



マダガスカル政変、大宇の農地開発事業も危機に(韓国経済危機)
http://ameblo.jp/dol-souraku/entry-10228638281.html
http://blog.livedoor.jp/cheelend/archives/51603469.html

ガダル十条とか青狐お嬢は口をそろえて「日帝は朝鮮の土地を奪ってまれに見るひどい侵略を・・。」とか言ってたけど、韓国のやり方こそ戦前日本のマネじゃないかねw
朝鮮米を「換金作物」にして日本本土に安値勝負を仕掛け、それで得た現金で豊かになっていったんだからね・・。

おかげで、日本本土の農家はエライ損害うけて特に東北地方の荒廃に一役買ったわけで、後の陸軍青年将校たちがクーデター騒ぎ起こしたのも農村出身で「朝鮮びいきの犠牲になる日本農民」を意識してたんだよね・・。

戦後まもなく、今の品種に近くて大量にコメがとれる「農林一号」って改良品種ができたおかげで日本の農家は救われたんだ。
でも、朝鮮総督府の朝鮮びいきと、中国での日本人虐殺による出兵とかが無かったら、もっと早く開発できてたかもしれんのだ。

つまりは、太平洋戦争もなかったかもしれん、ということだね・・。
文字通り、朝鮮半島は日本人の血肉を吸って成長したとも言えるね(朝鮮人が好きそうな言い方してみたよ)。

戦前、そして戦後も朝鮮は日本に迷惑かけっぱなしだよねw
それどころか「オレタチは日本に迷惑をかける権利がある!!」とまで開き直ってるときたから、コントの域にまで達してる。

現実は生半可なホラー映画よりこわいってことだね。
(略)

「コントの域にまで達してる」とは、なんて素晴らしいブーメラン発言でしょう…
例えば「朝鮮米を「換金作物」にして日本本土に安値勝負を仕掛け、それで得た現金で豊かになっていった」という文章、これの主語はいったい誰ですか? 米モノカルチャーを推進したのは明らかに日本人(国策会社である東洋拓殖株式会社)です。つまり、日本人が日本人(東北)の貧困化を引き起こしたということです。ここから、どういう思考回路を経ると「朝鮮は日本に迷惑かけっぱなし」という認識に至るのか(笑)

 

これはむしろ「組織的掠奪」を示す証言だ

tdamさんが「正しい徴発」に関する証言だと述べたもののうち、時期はずれではないものについて。
まず、上海派遣軍の参謀部に属していた榊原主計の証言。

その前に、「ハーグ」の47条と52条の内容を確認する。

第47条:略奪はこれを厳禁とする。

第52条:現品を供給させる場合には、住民に対して即金を支払わなければならない、それが出来ない場合には領収書(青狐注;受取証が適切な訳)を発行して速やかに支払いを履行すること

では、榊原証言。

http://www.geocities.jp/yu77799/nicchuusensou/chouhatu.html
"榊原主計証言(上海派遣軍参謀部員)
 
六、上海派遣軍も作戦要務令の規定する方式に従ひ、占領地所在の軍需品を徴発したこともあります。部隊の行ふ徴発は主として大隊の主計官が実施に当り、其所持する金櫃から支払を実行するもので、それ以下の部隊又は各個人の勝手に為すことは出来ませぬ。徴発したときに対価を払ふことは当然であります。
七、徴発について困ったことは、上海から南京に至る迄、占領地の多くは、其の部落には一般住民も行政上の責任者も残留して居なかったことであります。即ち交渉の相手となすべき者が存在しなかったので、結局、不在所有者の現実の承諾のない状態の儘、之を軍需に用ひなければならなかったことが屡々とありました。
 然しその様な場合には、如何なる物を如何程徴発したかを明記し、所有者に判明する様、貼紙をして、司令部ヘ代金を取りに来る様に記して置くのを例としました。
 私が現実にその様な措置を講じであった事実を目撃したのは、無錫に於ける米の倉庫に於てでありました。

八、占領地に所有者若くは行政上の責任者が居ったときは、全て之等に交渉し、その承諾を得て代金支払の上、円満に授受した。
 私が現実にその様に行動した例は幾つもあるが、特に印象に残って居るのは、白卯江上陸作戦の際であります。上陸点附近の小村落に行政上の責任者たる村長が残留して居て交渉の当事者となったので、その者と接(折)衝して糧秣の補給を受けました。
 是れに対して正当に代金の支払を為し、又残留住民を保護する様に取計ったので、右の村長は日本軍の秩序ある行動に感謝し、我々を歓待してくれた事実があります。
 常熟でも其の様な例がありました。

九、其他各地で制札を立て、住民の保護、掠奪の禁止等を指令しました。これは総て松井大将の意図を奉じて行ったものであります。
 南京では行政上の責任者が全く残留せず、交渉の相手方がなかったから、上述した様な便宜の方法で徴発が行はれたものと思はれる。難民区から徴発をしたとの話は聞いていません。
(『『南京大残虐事件資料集 第1巻』 P257〜P258)"

この証言は、むしろ組織的掠奪の存在を示していると思う。
重要なのは以下の部分だ。

占領地の多くは、其の部落には一般住民も行政上の責任者も残留して居なかったことであります。即ち交渉の相手となすべき者が存在しなかったので、結局、不在所有者の現実の承諾のない状態の儘、之を軍需に用ひなければならなかったことが屡々とありました。

つまり、「多く」は無断徴発、つまり民間人の食糧を無断で奪ったと、榊原は証言しているのだ。
それは、所有者の財産権を無断で侵害したことになる。この時点で「ハーグ」第47条で厳禁されている「掠奪」ではないか?
上海派遣軍司令部は、本来、無断で民間人の食糧を奪うことを禁じるべきだった。しかし、それは司令部にはできなかった。なぜなら、司令部は自軍の兵に与える食糧を用意していなかった(補給が間に合わないため)からだ。だから司令部は無断徴発を放任した。無断徴発(掠奪)の責任を実行犯に押し付けることはできない。無断徴発(掠奪)の責任は、まず司令部にある。

百歩譲って「無断徴発=掠奪ではない」とされる場合であっても、榊原が述べる徴発方法は「ハーグ」第52条違反と判断するに十分である。
榊原の証言から引用する。

 然しその様な場合には、如何なる物を如何程徴発したかを明記し、所有者に判明する様、貼紙をして、司令部ヘ代金を取りに来る様に記して置くのを例としました。

これを読んで、「代金交換を約束しているのだから違法ではないのでは?と受け取る人もいるかもしれない。しかし南京侵攻戦は典型的な急襲作戦であり、榊原の言う「司令部」も10日で約300kmを移動していたのである。「司令部に来れば軍票は現金に換える、ただし司令部は毎日30kmのペースで遠ざかっているので悪しからず」というわけだ。

庶民が自動車どころか自転車も持たない時代では、これは事実上の「持ち逃げ」、つまり掠奪と判断するに十分である。


おそらくtdamさんは、「司令部」自体が10日で約300km移動しているという「南京事件の初歩知識」を欠いていたのだろう。そのため彼は、榊原証言は「合法的な徴発」を示すものと受け取ったのだろう。*1

*1:歴史学での踏み込んだ議論に首をつっこむなら、最低限の初歩的知識を持たなければ話にならない…tdamさんに欠けていたのはそういう基本的な姿勢だ。(法律論についても同様だ)
俗な言い方をするなら「歴史学をナメるな」「法学をナメるな」ということである。tdamさんはこの言葉をA3の紙に大書して、自分の机の前に貼っておいたほうがいい。