レイシズムと南京事件否定論の親和性を示すケース
fromさん主張のとおり、「10人の中のいちばんバカな主張」を「10人の主張の代表」であるかのように扱っていいわけではないので、以下に掲げるのは「南京事件否定派」を代表する論者ではない、と一応断っておく。しかし、レイシズムと南京事件否定論の親和性を考える上で好適なケースと思われる事例を紹介しておきたい。
私は今年初エントリで以下のように書いた。
http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20080103/p1
最低限言えることは、南京事件とは
(1)南京侵略(南京侵攻)が行われ、
(2)その過程で南京事件も起こった。
この二つ、それぞれの犯罪性に留意すべきということだ。
これに対し、今のところ唯一異論を唱えているのが「ワシ」さんのブログ(1/4付エントリ)で、彼は「南京侵略」そのものを否定している。
http://blog.goo.ne.jp/ojisannsama/e/cc509ae01d766c4decaa071fcf4cd659
侵略では無い。進撃・攻略したのだ。
その過程なんて何も起こってない。南京入城後も何も起きてない。
即ち、シナ事変では、計画的な略奪・強姦・虐殺などは一つも無い。
なるほど完全否定論の典型である。
こりゃ平行線ですね。
ところがこの「ワシ」さん、その前日に露骨なレイシズム発言をしていたことを十条さんのブログ経由で初めて知った。元発言はhttp://blog.goo.ne.jp/ojisannsama/e/05a5890a3788b200fc28028d09e39263、
十条さんのまとめエントリはhttp://d.hatena.ne.jp/jujo/20080109(コメント欄でワシ氏が抗弁、十条さんが応答)
とりわけ、ワシ氏の
2008-01-03 22:16:11
右中野よ、お前、プルコギ臭いよ。
臭い。 (ワシ。 右はキムチの臭いがする)
2008-01-06 19:32:51
さ、差別主義者???
誰が誰を差別してるんだよ??
何だか一人、エライ僻みっぽい人間がいるみたいだねぇ?(笑)
差別も何も、そのまんまじゃねぇか?
マンセー右中野にはキムチがお似合い!
兎に角、キムチ臭い!
この2つは、お互いの体臭など知覚しえないネット上のやりとりであることを鑑みる限り、正当化の余地がまったく見いだせないようなレイシズム発言である(もちろん、ネット上でなくてもレイシズム発言であるが)。ワシ氏が「右中野」氏をいくら嫌悪していたとして(その嫌悪にどれほどの正当性があったとしても)、「プルコギ臭い」「キムチ臭い」という言葉の使用は、レイシズムの発露以外のなにものでもない。
しかも十条さんのコメント欄のやりとりを見る限り、ワシ氏に反省や後悔の色は全くない。
南京事件否定論を支持する人々の「コア」の部分に、こういうレイシストがいるという事実が可視化された。
こういう事例が可視化されていちばん困るのは、いわゆる「右派」の側ではないだろうか。