「南京大虐殺」をめぐる「ローカル定義症候群」

以下のブログでの議論。
http://blog.goo.ne.jp/kayaamex/e/56853ac1c6b45269c5bd5c66f5a268d2#comment
ちなみに、コメントは削除されて現存していない。
だいたい以下のような議論がされたのだが…

端緒はエントリ内の以下の記述(これは現存している)

南京大虐殺など学説ではほぼ否定説が大勢であることについて真実を指摘し間違いを諭すことなどは中国との関係上あってはならないことなのである。

これに対し、私が疑問を述べる。

この場合「学説」というのは歴史学における学説しか考えられないのですが、歴史学者の間で否定説が大勢であるという話は聞いたことがありませんが? だいいち、「歴史学者」の中で否定説に立った人の名前を、私は一人も思い出せません。思想史の研究者など他分野の人間では名前を思い出すことができますが…

学説では否定説が大勢である、と仰るならば、とりあえず否定説に立つ「歴史学者」の名前を複数列挙していただけると幸いです。

なお私は、日本軍史料だけでも南京での大規模な虐殺があったことが確認できると考えています。

返答。

私も南京で虐殺事件がなかったとは主張していません。
私が言いたいのは30万が殺されたとする所謂南京大虐殺のことです。
学説では数千、4万人、十数万とありますが、いずれにせよ30万説は学説では否定されているということです。

私の再疑問。

あの、「南京大虐殺」とは文字通り「南京での大規模な虐殺」という意味の言葉でしょう。日本のどの辞書にも「30万虐殺」と定義した辞書はありません。
4万人説も十数万説も「南京大虐殺」を否定しているとは到底思えないし、数千説も「南京大虐殺」を否定しているとは言えない、と思いますが?

東京大空襲では10万以上が殺されたとされていますが、仮にこれに対し3万頃殺された学説が出された場合、その学説は「東京大空襲」を否定した学説、と考えますか?

最後の返答。

青狐様

反論しようと思ったが馬鹿馬鹿しいのでやめ。
二度とこなくて結構です。

で、それまでの議論は削除されていた、という次第。


問題は「ローカル定義」につきる。このローカル定義によれば、日本の歴史学者笠原十九司氏も、吉田裕氏も、藤原彰氏も、秦郁彦氏も全て南京大虐殺否定派に属してしまう。そのようなローカル定義で南京大虐殺を否定することに、どれだけの意味があるのだろうか。

しかし、このようなローカル定義に固執する人をちらほら見かける。