釈放11時間後、イルコモンズ氏新宿で語る


昨日釈放されたイルコモンズ(小田マサノリ)氏が、その夜8時過ぎにネイキッドロフト(新宿)でのイベントに緊急ゲストとして登場し(http://d.hatena.ne.jp/ziprocker/20080716に告知があった。ただしパーティではなくトークイベント)、逮捕直後のこと、勾留中のことなどを含め広範に語った。その中から、個人的に印象に残った内容を紹介します(発言部分は青狐が要約したもの。内容的逸脱はないつもりです)。


イルコモンズ氏が釈放されたのは16日午前9時半ごろ。まず根本的な問題なのですが、救援会のサイトで書かれているとおり、

札幌地検の大野検事が発行したDJ・運転手宛の釈放指揮書(紙一枚)にはただ釈放するという数行の文言があるだけで、「不起訴」「処分保留」「起訴猶予」のいずれかについては一切書いてなかった

とのこと。わけがわかりません。

さて、釈放前日に札幌地裁で「勾留理由開示請求公判」があったのですが、この公判でイルコモンズ氏は

明日は大学で講義があるので、早急に釈放していただきたい、と述べた

とのこと。その要求が功を奏したのかも知れませんが、そもそも10日も勾留する必要があったのか自体、疑問を抱かせるような話でもあります。
釈放後すぐに飛行機で帰京し、予定されていた大学の講義に駆けつけたという。

講義開始の午後3時に間に合わなさそうだったので、知人の大学教員に連絡をとりはじめの部分は代講してもらい、途中からは自分が講義した。

当人たちは大慌てだっただろうが、その情景を思い浮かべると、なんだか微笑ましい。

さて、会場ではイルコモンズ氏が逮捕され警察の車に入れられるシーンの映像が紹介される(この映像はネットでは公開されていない)。印象的なのが、このときイルコモンズ氏が微笑んでいること。

荷台に人がたくさん登ってきたとき、何のことかわからなかった。「持って行かれる」と気づいたとき、事態を客観的に見ようと、上空からの映像を想像してみた。そして、身体の力を全部抜き、笑顔になろうと思った。身体をこわばらせている方が両脇の警官は(自分を)運びやすく、身体をぐんにゃりさせると運びにくくなったらしい。力を抜くと、警官が「何やってんだ」と怒鳴った。

これって、なかなか示唆的なエピソードだと思う。脱力による抵抗。

ところで映像の音声では、デモ参加者の「やめろぉ」という声と「小田さぁん」という(実名を叫ぶ)悲鳴が交錯している。
じっさい取調中、警察は小田氏の身元を掌握していた。そこで小田氏は

大学で講義している内容、及び自主企画の「イルコモンズ・アカデミー」で話している内容を全部取調官にレクチャーした。

2年ほど続けてきた「イルコモンズ・アカデミー」が、まさか警察署でラストを飾るとは(笑)

素人の乱の松本君が差し入れをくれたけど、「ぶっ殺すぞ」*1という文字入りのTシャツとか、尻の部分に「立ち入り禁止」という文字が入ったトランクスとか(笑)

他にも面白い話がてんこ盛りでしたが、とりあえずこれくらいで。
で、結局「処分保留」なのだろうか。

*1:微妙に違う語句だったかも。ここの部分は青狐の記憶が曖昧