もっとも「現行犯逮捕」に値するのは誰か?
先日のエントリで、救援会ブログの
http://j5solidarity.blog116.fc2.com/blog-entry-6.html
これは本当に心が痛む話ですが、運転席の状況を確認したところ、運転席前方のダッシュボードなど三箇所に血痕がくっきりと残されていました。公安警察・機動隊によって暴力的に引きずり出された際、運転手が怪我したという情報は弁護士接見により把握していましたが、あまりの惨状に言葉を失いました。警察による暴行凌虐に改めて怒りを表明します。
という記事を紹介したのですが、それでも以下のようなブクマを残す人がいることに驚きます。
2008年07月08日 tyouaniki
デモ側の方々には申し訳ないですが、映像写真を見た印象ではデモ側がとても気持ち悪い・ウザいので個人的に警察GJって感じです。 見た目で判断するのは良くないんでしょうけれど…。
警察が運転手に流血の怪我を負わせたことを知ったうえで、そのうえで「警察GJ」とお考えなのですね。「気持ち悪い」奴らを負傷させた警察に対して「グッジョブ」と。
貴重なコメントありがとうございます。*1
さて、今回の事件で、もっとも「現行犯逮捕」に値するのは誰だろうか。
トラックの運転手は「傷害罪」「暴行罪」で逮捕されるような行為を起こしていないと判断していいだろう(起こしていたら、そのような罪状で逮捕されているはずだ)。
DJが道交法違反だった可能性も著しく低い(もし道交法違反なのだったら、デモの序盤で逮捕されているはずだ)。
それでも運転手やDJが何らかの「逸脱」行為をした可能性は、今の私には否定できない。しかし、「運転手を負傷させる傷害行為」より悪質な行為が行われたとは、ほとんど考えられないのである。(繰り返すが運転手は傷害罪や暴行罪では逮捕されていないので、傷害・暴行相当の行為を行っていないと見ていいだろう)
現地の警察は、もっとも「現行犯逮捕」に値する行為を行った機動隊員を現行犯逮捕しないという「寛容」な態度を取った。だったら運転手やDJ,ロイター通信カメラマンを現行犯逮捕するのは不適切であろう。仮に一時的に拘束しても「注意」して逮捕せず解放、というのが筋ではないだろうか。
やはり、「逮捕」自体が目的化していたということなのだろうか。
「寛容」方針ならば逮捕者を釈放する、「不寛容」方針ならば傷害行為の機動隊員を逮捕する、どちらかの筋を通すべきだろう。
*1:ただ今後、何かの機会にtyouanikiさんも警察に殴られ負傷する事態が生じないとは言い切れません。そのとき「気持ち悪いtyouanikiを負傷させた警察にGJ」というコメントを発する人が現れるかもしれません。それでもいいの?