ネット上で見つけた幕府山事件正当化論(その1)


十条さんのブログ経由で、レイシストのワシさんのブログを見たら、コメント欄で、東中野氏とは異なる「正当化論」を見つけました。

http://blog.goo.ne.jp/ojisannsama/e/d46cea02ad5a4c15b9f0e2b2414ff8bd

「こってり」さんによるもので、7点で構成されています。
こってりさんのオリジナルか、コピペなのかは分かりません。

幕府山事件は、
1;捕虜を銃器で処刑をするのに、視界の効かない夜を選ぶ筈がない。
2;夜に捕虜移送をしたのは、司令部の意に反しての極秘裏の釈放だからと考えるのが妥当。
3;極秘任務だから、釈放のことは士官のみが知っていて、兵は知らなかった。
4;事件後の結果に士官も兵も大きな衝撃を受けているのは偶発的惨劇だったからであろう。
5;対岸の中州は南京城乃至それ以上の面積があり、日本軍が進出していなかったので、其処へ数千名の捕虜を移送するのは妥当性があった。
6;渡し場には船の用意があり、江岸の草木も刈ってあったが、この刈ってあった木が捕虜の武器になった。
7;日本軍に7名の死者が出た。南京攻防戦中最大規模の上河鎮〜下関の戦闘でも第6師団戦死56名、中国軍遺棄死体11000名(他に揚子江で多数死亡)で、そのキルレシオから勘案しても幕府山事件は正に戦闘であった。

以上の事柄から、偶発的な捕虜の叛乱に対する発砲であり、虐殺ではあり得ません。

1;捕虜を銃器で処刑をするのに、視界の効かない夜を選ぶ筈がない。

「はずがない」論法ですか。栗原証言のとおり、半円形の鉄条網の中に囲い込めば、視界がなくても機関銃で殺すのは困難ではないでしょう。なのに「はずがない」と決めつけるのは滑稽です。

2;夜に捕虜移送をしたのは、司令部の意に反しての極秘裏の釈放だからと考えるのが妥当。

いや、捕虜に機関銃の存在を気づかれにくいと考えるのが妥当かもしれませんよ。
脇が甘い論拠ですね。

3;極秘任務だから、釈放のことは士官のみが知っていて、兵は知らなかった。

釈放の意図が存在しないから、兵が知らなかったという可能性も十分ありえますね。
なのになぜ「妥当」などと結論付けられるのか、理解不能です。

4;事件後の結果に士官も兵も大きな衝撃を受けているのは偶発的惨劇だったからであろう。

陣中日記に書かれている限りでは、味方にも被害が出たことへの衝撃、以上のことは読み取れませんね。自営発砲説に立つ人の証言は虚偽の可能性が高い。

5;対岸の中州は南京城乃至それ以上の面積があり、日本軍が進出していなかったので、其処へ数千名の捕虜を移送するのは妥当性があった。
6;渡し場には船の用意があり、江岸の草木も刈ってあったが、この刈ってあった木が捕虜の武器になった。

(自営発砲説の将官の証言ですら)小さな舟しか用意されていないのに、一度に1万人規模の捕虜を移したのは不自然ですね。自軍の安全を考えたら、小舟のキャパに応じて少しずつ移送し、小舟に乗せて釈放するのが自然ですが? 一度に1万人規模の捕虜を移して鉄条網の中に入れたということが、計画的殺害を伺わせるに十分だと思います。

7;日本軍に7名の死者が出た。南京攻防戦中最大規模の上河鎮〜下関の戦闘でも第6師団戦死56名、中国軍遺棄死体11000名(他に揚子江で多数死亡)で、そのキルレシオから勘案しても幕府山事件は正に戦闘であった。

単純にキルレシオを比較したところで、戦闘か戦闘でないかなど判断できません。
中途半端に軍事学上の概念を持ち出しても無意味。

以上の事柄から、偶発的な捕虜の叛乱に対する発砲であり、虐殺ではあり得ません。


このように非常に脆弱な論拠を並べただけなのに、こってりさんは「ありえない」などと言い切っています。
これでは、こってりさんの信仰告白の域を超えるものではありません。