2/9(金)に再放送:NHK特集「日中戦争 〜なぜ戦争は拡大したのか〜」

南京事件に関する日本兵証言も収録された「日中戦争 〜なぜ戦争は拡大したのか〜」 の再放送があります。今度の金曜日です。
午後10時〜11時14分 総合テレビ
http://www.nhk.or.jp/special/onair/070209.html

1937年、盧溝橋(ろこうきょう)事件に始まった日中戦争。戦闘は8年間にわたり、日中双方におびただしい犠牲をもたらした。そしてこの戦いを通じて日本は英米との関係を悪化させ、太平洋戦争への道を突き進んでいく。日中戦争はなぜ拡大したのだろうか・・・。
その背景を物語る重要な資料が公開された。当時、中国国民政府を率いた蒋介石の日記である。この日記から浮かび上がる蒋介石の意図。それは日中戦争を世界戦争へと連動させ、米ソの力で日本軍を倒すという長期的な構想である。
蒋介石は戦前からドイツ軍事顧問団によって軍を近代化し、最新兵器による軍備を進めていた。さらに戦争が始まると、国際社会の注目が集まる上海近辺に精鋭部隊を派遣。英米経済制裁ソビエトの参戦によって戦局の好転をはかろうとした。
これに対し、日本政府は国際社会の批判を避けるため、不拡大方針を掲げたにも関わらず、なしくずし的に全面戦争に突入してしまった。その背景には、蒋介石政権を弱小と見て、「一撃で倒せる」と考えた日本軍の誤った状況認識があった。出先の軍を率いる司令官らは満州事変の経験から中国の力を過小評価し、独断で首都南京攻略へと進軍。日本政府もこれを追認してしまったのである。
中国の真意と力を読み違えた日本。それは泥沼の日中戦争から太平洋戦争という破局をもたらした。初公開の資料から、日中戦争を日中だけでなく、アメリカ、ドイツも含めた国際的な視野からとらえ直す。そして日中戦争がなぜ拡大したのかを明らかにしていく。

同番組では南京事件も言及された。Apemanさんによるサマリーを転載。
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20060814

* 元通信兵KY氏の日記(陥落直後、中国兵の軍服、兵器が城内に散乱しているのを目撃。「奴ら、便衣を着たらしい…」 相当緊張していた、と。放置された軍服、武器を撮影したフッテージも紹介)
* 歩兵第7連隊の戦闘詳報(入場式を4日後に控えた、とのナレーション付きで、城内掃蕩の命令を紹介。「青壮年は全て敗残兵、又は便衣隊と見なし、全て逮捕監禁すべし…」 )
* 同連隊の元兵士NS氏の証言(敗残兵と非戦闘員とを見分けることの困難さについて証言。「どうですか? 分けれると思いますか?」と。また、敵の数は「10万か20万か知らんけど」という認識だったとのこと)
* 入城式を控えての、歩兵第7連隊への命令(16日に敗残兵を「捕捉、殲滅」せよ、と)
* KY氏の日記(下関での虐殺を目撃した知り合いからの目撃談を聞いた、「若者を捕獲して、5人ずつくらい縛って、(…)銃殺したそうだ」)
* NS氏の証言(河に飛び込んで逃げようとした捕虜を軽機関銃で殺害するのを目撃した、自分も一人斬った、と。「陣地攻撃で殺すのと、全然意味は違うわね、それも非戦闘員かもわからん(者を)」 「虐殺と(言われてもしかたない)」と。「(証言すると)すっきりしたような、申し訳ないような気持ちになる」「戦争について口をつぐむべきではない」とも)
* 歩兵第7連隊の戦闘詳報(12日間で敗残兵6670人殺害)
* 陸軍省の通達、「国際法規ノ適用ニ関スル件」(ハーグ陸戦法規の内容の紹介。日中戦争には宣戦詔書が不在というナレーションによる指摘、陸軍省は「国際法をことごとく適用することは適当でない」「俘虜ということばも避けよ」という認識であったことをナレーションで指摘)