産経で東中野氏がとりあげられたらしい
http://blogs.yahoo.co.jp/hayatotukikage/4064894.htmlに「産経新聞5月3日記事の要約」が掲載されていたのでとりあえずチェック。
まあ、相変わらずの「東中野メソッド」のようだ。
これまで「南京大虐殺」の証拠とされてきた英国紙中国特派員の著書「戦争とは何か」の内容は「大虐殺」の証拠になりえないとする研究成果をまとめた著作が出版された。
「戦争とは何か」は南京陥落の七ヶ月後に英米で出版され、この中に「四万人近くの非武装の人間が南京城外または城壁の付近で殺された」との記述があり、「大虐殺」の証拠とされてきた。
東中野教授は三年前、台湾の国民党党史館で、南京陥落直後から約三年間の中国国民党の宣伝工作を記録した「中央宣伝部国際宣伝処工作概要」を発掘。
この中に「戦争とは何か」が、「中央宣伝部国際宣伝処が編集印刷した対敵宣伝書籍」であるとする記述を発見。
この論点、北村稔氏の『「南京事件」の探求』への批判と重なるので、こちらを参照。
http://www.nextftp.com/tarari/timperley.htm
http://www.nextftp.com/tarari/timperley2.htm
検証の結果、中央宣伝部は南京陥落前に漢口に事務所を置き、三十七年十二月一日から三十八年十月二十四日まで外国人記者を対象にした記者会見を約三百回開いていたが、「南京大虐殺」は報告されていない。
ところが国民党は国際連盟理事会でも南京事件について言及しているし、蒋介石も南京について言及しているといっていい。
http://www.geocities.jp/yu77799/chuugoku.html
「戦争とは何か」に記載されている四万人の不法殺害の報告が、、同時に出版された漢訳版「外人目撃中の日軍暴行」では削除されている。
東中野氏は英語版「戦争とは何か」と中国語版「外人目撃中の日軍暴行」の時系列的機序を逆にして論じているようだ。「4万人説」はベイツによる言及だが、これは
・英語版で掲載→中国語版で削除、ではなく、
・中国語版では未掲載→英語版で掲載、だろう。
http://www11.ocn.ne.jp/~nbbk/143/prolog.html
「日本軍による虐殺行為が事実なら、中央宣伝部が記者会見で報告しないはずがありません。さらに、漢訳版で削除されたのは、南京の事情に通じているものがこれを読めば、すぐにウソだということがばれるからでしょう。この研究によって、「南京大虐殺」の根拠は突き崩せたと思う。次は英語版を作成し、研究成果を海外に発信したい。」と東中野教授は話している。
中央宣伝部ではなくもっと上の中枢の人物が表明していたわけだし、「中国語版で削除」ではなく「英語版で追加」されただけの話である。
まったく「根拠を突き崩し」てなどいないことは、東中野氏本人が自覚しているとは思うが…
5月9日追加;
ja2047さんからご指摘いただきました。
『東中野教授はこの本の中で
「誤解のないように言っておくが、『戦争とは何か』が中央宣伝部の製作した宣伝本だからと言って、それがただちに南京大虐殺はなかったということを意味するものではない。」
と繰り返し書いているのですね。
それをサンケイが
「これまで『南京大虐殺』の証拠とされてきた英国紙中国特派員の著書『戦争とは何か』の内容は「大虐殺」の証拠になりえないとする研究成果をまとめた著作が出版された。」
と紹介する。
東中野教授は結構明白なウソにならないような記述をするんですよね、これを読者は微妙にずらして読みとる、サンケイはそのずれを積極的にアシストする役割をする、これが毎度の役割分担のようです。
「証拠写真を検証する」と同じ方法ですね。