皇国・皇国システム・動員ツール(メモ)

前回エントリーの書き直しをしているところです。
今回もメモですが、コメントは大歓迎です。

今回の論考において、4つのキーワードをまず提示したいと思います。

・「皇国」という概念‥「君が代」は軍国主義の象徴‥という表現を、ここ最近の議論でもよく目にする。しかし、「君が代」はまず天皇家の国=皇国のテーマソングとして理解されるべきだと思う。大日本帝国憲法第一條「大日本帝国ハ‥天皇之ヲ統治ス」や教育勅語「天攘無窮の皇運を扶翼すべし」(天地とともにきわまりない皇の運命を扶翼せよ)にも留意。

・「皇国システム」‥皇国が国民を「動員」するシステム、よりシビアに言えば、皇国が強国化や存続のために国民を「資源」として消費するシステム。花森安治一銭五厘の旗」所収の、下士官が兵卒に言い放つ「貴様らの代わりは一銭五厘で来る。軍馬はそうはいかんぞ」という言葉が、このシステムの本質を的確に表している。

・「動員ツール」このシステムのために「教育勅語」「御真影」そして「君が代」などが、動員を促すツールとして教育現場として使われた。この結果が「教え子を戦場に送る」である。

・「158日間」‥1945年3月10日から8月15日までの158日間。これを考えるきっかけは野原さんの参照。「東京大空襲のあとも、8月15日まで為政者たちは戦争を終結させなかった。その158日の間に、5月の東京空襲で、多くの都市の空襲で、広島・長崎で多くの国民が死んだ。
この「158日間」を「皇国システム」のもたらした1つの典型としてとらえたい。


「158日間」の責任、国民をむざむざ殺した責任はほとんど不問にされている。
そして君が代が、かつて「動員ツール」だったという事実が、今回の議論で軽視されているように思える。