憎悪の連鎖を断ち切る、という課題…日本と中国

白河さんとの議論は一応終了し、現在まとめを書いているところなのだが、その同じコメント欄で、別の方から議論へのコメントをいただいた。
一読して、このようなコメントには是非レスしたいと思い、いま言葉にできることを急いで書いた。熟考したのちの文章ではないので、後で読んで恥ずかしくなる事もあるかもしれないが、とりあえずその応答を紹介する。

いただいたコメントはこのようなもの。

議題が難しくて (まあが 凛)

2005-01-18 12:23:16


こんにちは。初めまして。
中国に関して興味があったのでのぞきました。


中国は愛国主義なのか、反日教育なのかいまいちわかりづらい所ですね。
確かに日本は中国に対して痛ましいまでのことをしてきたと思うのですが、その歴史をいつまで引き伸ばすのでしょう?勿論、そういったジェノサイド的な行為があったことは決して忘れてはいけないと感じるけど、いつまで反日感情を持つのでしょうね。近い国なのに、本当に遠い国だと思いました。
でも、サッカーアジアカップは日本と中国だけのものではないのだから、歴史的反日感情を持ち込むのはいかがなものかと……。考えの弱い意見でした。

これに対する私(青狐)のレス。

まあが 凛さんへ (青狐)

2005-01-18 23:25:27

>いつまで反日感情を持つのでしょうね。


憎悪の連鎖なのだと思いますよ。その連鎖をどう断ち切るか、憎悪に対して憎悪で返しては連鎖は断ち切れません。


憎悪に対しては、謝罪とか賠償とかで解決する問題とも思えません。後悔というか、悔悟の情を表明することが不可欠ではないでしょうか。


これ、犯罪被害者と加害者の和解の問題と似ていますよね。
「死刑囚の家族」が片方ですみませんでしたと謝罪しつつ、片方で死刑囚をかばうような言動に出たら、被害者側は「なんだ、この人たち悔悟していないじゃないか」と思うでしょう。


いじめ問題でも、いじめっ子が「もうしない」といっているだけでは、いじめられっ子のトラウマは解消できないのですよ。「あんなことはすべきではなかった」という悔悟の意志を示さければ、相手の憎悪はなくならない。言動を間違えると、和解どころかいじめられっ子側に復讐心すら芽生えさせる。


和解するために、それ以前に相手を復讐の鬼にしないために、元いじめっ子の側がどうふるまうか…これはたしかに簡単な問題ではないですけど、まあそんな問題なのだと思います。


これ以上は難しいことを言いそうなのでこのへんで。
でも、日本政府が東京にアジア戦争被害博物館を作るとか、やれることはあると思うよ。

急いで、と書いたが、これだけの文章量なのに家事を挟んで4時間くらいかかった。
内容的には断片的な部分も多く、たとえば「悔悟」の表明だけで「和解」できる、といった容易な問題ではないだろう、という指摘は当然受けるだろう。しかし、少なくとも悔悟は和解への過程に不可欠だという思いは、このブログの冒頭で紹介したhttp://d.hatena.ne.jp/fenestrae/20041029を読んだのを契機に、私の中で日々強くなっている。