勝谷誠彦氏にみる「流言飛語」の作法

先日の櫻井よしこ氏批判に続いて、またもや緊急エントリーです。しかも今回は直接近現代史ではない内容ですが要ご了承。
勝谷誠彦氏については、拙ブログ3月3日にて正面から批判しましたが、
2005-03-03 勝谷誠彦氏はなぜこんな愚かな文章を書いたのか?」
http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20050303
「2005-03-07 勝谷誠彦氏コラム問題 南京を東京に置き換えると」
http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20050307


今度は、昨日の痛ましい事故の直後にこんな発言をした。

2005/04/25 (月) 号外。福知山線事故を巡る放送中止といくつかの情報

実は昭和53年にこの尼崎駅からわずか2、3キロ神戸寄りの場所で当時の国鉄は貨物列車の大事故を起こしている。12時40分ごろ香椎操車場発東京貨物ターミナル行きのフレートライナーが脱線、巨大な貨車20両のうち11両が線路をふさいで東西の流通に深刻な影響を及ぼした。その時も「脱線しようのない場所で脱線した」と言われたもので私の中では大きな謎として残っている。27年前のこの隣の立花駅での事故は人が亡くならなかったので関係者の中でも記憶が薄れているだろう。しかし国鉄から引き継いだ「妖怪」をまだ社内に飼っているJRを思う時カンのいい公安関係者ならばあまりの偶然にちょっと過去の資料を当たってみる気になるに違いない。下山事件以来日本の鉄道の線路には謎が埋まっているのである。ちなみに。立花駅大事故の2カ月前の8月12日は日中平和友好条約の調印日であった。この不思議な暗合をどう読み解くのかはそれぞれに任せたい。更に言えば事故当日の10月23日にはトウ小平副首相が来日している。「自衛隊の増強は当然」その時彼はそう言ってのけた。

(出典)勝谷誠彦 さるさる日記
http://www.diary.ne.jp/user/31174/


勘のいい公安関係者が「あまりの偶然」と認識するとは思えない‥だいたい、調印式の2ヶ月たってからの事故に意味があると本気で思っているのか?
内容の空疎さはさておき、この文章から読みとれるのは、煽動・煽りという勝谷の意図である。そして、見逃せないのは

どう読み解くのかはそれぞれに任せたい」

という表現をとっていることだ。
実は、拙ブログ3月3日で批判した「SPA!」巻頭コラムにおいても、同じ手法が使われていた。

以上、遠慮がちに言ってみた。読者諸兄の想像力を喚起するためである

予め勝谷自身の責任は回避されるような叙述である。煽っておいて責任はとらない、という手法か?



緊急エントリーなのでこれで終わります。怒りで頭が煮えたぎっています。