チャン・イーモウ監督が南京事件の映画を準備中、ブラピなどにオファー

シネマトゥディ記事より。


http://www.cinematoday.jp/page/N0021307

 [シネマトゥデイ映画ニュース] 映画『HERO』や『王妃の紋章』のチャン・イーモウ張芸謀)監督の次回作品へ、トム・クルーズトム・ハンクスブラッド・ピットというハリウッドの大スターたちが出演するかもしれない。

 イーモウ監督作品を製作してきたプロデューサーのチャン・ウェイピン(張偉平)がChina.orgに対して語ったところによると、イーモウ監督の次回作『ザ・サーティーン・ウィメン・オブ・ジンリン』(原題)は1億ドル(約90億円)を超える制作費をかけて製作される超大作となり、今年の初めからハリウッドのA級スターたちに出演オファーを出しているとのこと。オファーを出した中で、トム・クルーズトム・ハンクスブラッド・ピットの3人が出演に興味を示しており、出演するかの最終決断は彼らのスケジュール次第だそうだ。

本作は、ゲリン・ヤン(厳歌苓)の小説を基に、1937年の南京事件を背景に、13人の中国人娼婦たちが戦争から避難するために南京の教会へ逃げ込むストーリーだ。映画は『シンドラーのリスト』のように人間性を描く物語で、出演が決まればハリウッドスターは南京の教会の牧師役を演じるだろうといわれている。撮影は、来年の10月から開始される予定だ。

 トム・クルーズトム・ハンクスブラッド・ピットらハリウッドの大スターが中国映画へ出演するだけでも驚きだが、現在でも議論が続けられている「南京大虐殺」に関する映画を、多額の制作費をかけてイーモウ監督がどのように描いていくのか興味深いところだ。


このようなストーリーだとすると、土台になる史料は、ミニー・ヴォートリン女史の日記になるだろう。


南京事件の日々―ミニー・ヴォートリンの日記

南京事件の日々―ミニー・ヴォートリンの日記

アマゾンのレビューから引用。

56 人中、39人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 現代的意義をもつ大都市包囲戦の記録, 2006/8/9
By pseudo-swicther -

1937年12月から38年にかけての南京事件当時、南京市に踏みとどまって国際難民区の運営に携わったアメリカ人ミニー・ヴォートリンの日記は単なる史料的価値のみならず大きな現代的意義をもっている。南京攻略戦は大都市への空爆が本格的に行なわれた最も初期の戦闘の一つであり、それゆえこの日記は「空爆に耐える都市住民」の最も古い証言の一つだということになる。都市への空爆があたりまえとなり非戦闘員の犠牲が常態となった戦争の原型がここで描かれている。
また、ヴォートリンを含む第三国人たちが、限られたリソースを総動員して南京市民を守るために奔走する様子には感嘆を禁じえない(残念ながら、その努力は完全に実を結ぶことはなかったのだが)。本書に日記が収録されている約4ヶ月間、平穏な日はほとんどなかったのである。彼女は中国人による不正行為も率直に記録しており、他方友好的な日本人の訪問があった際にはきちんとその旨書き残していて、これが日記全体の記述の公平性を物語っている。「いま南京で起こっていることを、日本の良識ある人びとに知ってもらえさえしたらよいのだが」(60頁)といった趣旨のことばが繰り返し記されている。約70年遅れではあるが、彼女の願いが成就することを祈りたい。