[社会現象としての大虐殺否定派]「史料を読まずに南京事件を語りたがる」症候群


「数学屋のメガネ」さんの、(相変わらずの)見解を引用。
太字は青狐による。

http://d.hatena.ne.jp/khideaki/20070709

小室氏の、南京大虐殺が「捏造」であるとする解釈には、日本の軍隊にはジェノサイド(ある人種・民族を、計画的に絶滅させようとすること)という観念がなかったということを根拠にするものがある。ユダヤ人虐殺の基礎にはジェノサイドの考えがあるが、それをもっていない日本軍は、「人道に対する罪」を行うと考える根拠がないというのだ。

逆にいえば、南京大虐殺という解釈が正しいのであれば、日本軍はジェノサイド行為をするほどむごいことを平気でやるような軍隊なのだということになる。南京大虐殺を肯定するということは、日本軍が一般的に、そういうひどい体質を持った軍隊だったと考えることを意味する。僕なども、かつては日本軍というのは、非合理的でいじめが蔓延している、およそ組織としてこれ以上ないくらい悪いものだというイメージを持っていた。

しかし、小室氏によれば、非合理的ではあっても、軍規に厳しい、統制の取れた組織だったという。だからこそそれまでの戦争であれだけの強さを保つことが出来たのだという。日本のモーレツサラリーマンからの連想で軍人を考えると、そのまじめさと勤勉さは小室氏の指摘どおりではないかとも感じる。日本軍に対する一般的イメージも、南京大虐殺の肯定・否定の判断に関わっているような気がする。日本軍の一般的イメージの、本物に近い姿というのを求めたいものだと思う。

いや、そのような主観的イメージは、現代史学の研究水準を参照する限り、通用しないのですけど。
小室氏の見解を鵜呑みにしないで、日本軍の史料をきちんと読んでほしいものです。
ブログ上でも、Apemanさんのところで膨大な「史料紹介大会」が5月に行われましたし、
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20070516/p2

あと拙ブログでも以下の史料を既に紹介していますよ。

「略奪、強姦は軍の常だよ」と述べた中島今朝吾・第十六師団長

http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060719/p3

阿南惟幾陸軍省人事局長の報告/田中新一・陸軍省軍事課長の所見

http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060718/p2

南京事件の「日本軍の毒ガス攻撃案」の存在を日本政府が国会で言及していた

http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060702

日本軍の給養体制の問題と「家を壊して薪にし、飯盒炊飯した」兵士たち

http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060724/p2

捕虜殺害/死体の揚子江投棄を目撃した早尾乕雄陸軍中尉

http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060718/p1

「南京攻略時に約四、五万に上る大殺戮」

http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060701

もっと知りたければ、「南京事件 小さな資料集」を見れば、いくらでもあります。
http://www.geocities.jp/yu77799/