自民党「小委員会」と「南京事件の真実を検証する会」に微妙な距離感あり?


前エントリで紹介した「南京事件の真実を検証する会」、産経記事では
http://www.sankei.co.jp/seiji/seikyoku/070224/skk070224003.htm

1937年の南京事件から丸70年となる今年、事件を題材にした映画が海外で多数制作されることに危機感をもつ自民、民主両党の若手国会議員が、超党派の勉強会「南京事件の真実を検証する会」を結成した

と紹介されているのだが、自民党戸井田徹議員のブログでは、ややニュアンスが異なる紹介がされrている。

http://blog.goo.ne.jp/toidahimeji/e/b295185853d0787d7ab33ac766ac18d5

南京事件の真実を検証する会」について
2007-02-25 16:26:41

こんにちは!戸井田とおるです!
南京事件の真実を検証する会」は藤岡信勝氏や茂木弘道氏が主体の会です。私はあくまでオブザーバーです。私の主戦場は自民党の「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の「南京問題小委員会」です。


「主体」は国会議員ではない「藤岡信勝氏や茂木弘道氏」であると、説明されている。
なんとなく微妙な距離感を感じる。


さて、「南京問題小委員会」の戸井田議員、ブログ上ではきわめて「実証主義」的スタンスを表明している。

小委員会においても表明しましたが、我々が責任を持ってやり遂げなければならない事は、一次史料に基づいた検証作業です。判断するのは、その一次史料を確認していただいたお一人お一人であると信じます。伝聞のみで議論しても何もなりません。
歴史というのは全てを知っているのは、まさに神のみであります。現場に居た人も全貌を把握して居たわけでは有りませんし、ましてや後世の人間が言うことなど何をか況やです。例えるなら誰の証言も壁の穴から覘いているのと同じだと思います。一次史料は誰にも変えることは出来ません。だからこそ決定的な値打ちがあると思うのです。一次史料こそが、当時を物語る、一番神に近い存在だと思います。

一次史料を可能な限り、集めて公表して、判断はその一次史料を確認した方にお任せしたいというのが私の考えです。それが民主主義だと思うからです。対立ばかり煽っても何も生まれません。今、我々がやっている事を、真実の追究以外に利用するつもりもないし、利用されたくもありません。
戸井田 とおる


ということは、当然http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060804にまとめてある日本軍史料も参照する、ということだろうか。
ちなみに、「南京事件小委員会」第一回目の講師は原剛氏だったとのこと。
戸井田氏、2月10日のブログエントリより。
http://blog.goo.ne.jp/toidahimeji/e/4ddb54487800219d4e5b40a99a8bfaed

「南京問題小委員会」が開催された。
第1回の出席者は代理含めて38名と思ったより多かった。
今回の講師は防衛研究所の図書館資料室調査員の原剛氏でした。
気になるのは、南京問題の容認派から否定派の一覧表を示して、自分は中立と言っていたが、何かちょっと違うのではないかと思う。
誰の解釈が正しいか?ではなく、あくまでも何が真実か出なければならない。
原講師には、一次資料の提出をお願いした。

少し気になるのだが、戸井田氏、安易に「真実」という言葉を言及しているように思うのだが。

次回は国際的に著名な国際法の専門家にお願いした。
ちょうど、昨晩「NHKスペシャル日中戦争」が放映され、かなりおかしな部分があるので、ビデオを見ながら検証する時間も作るつもりです。
便衣兵をどう捉えるかは大きな問題である。

「国際的に著名な国際法の専門家」とは…誰のこと?


エントリ後半になると、戸井田氏の発言には乱暴な面が目立ってくる。

アイリス・チャンの「レイプ・オブ・ナンキン」の映画化や日中歴史問題の検証作業に合わせるかのような「NHKスペシャル日中戦争」の放映は気になる。最近の報道を見ていると、いつの間にか30万という数字を言わなくなっている。しかし、少しでも有ったのではないかと認めたら最後である。日本は認めた途端「慰安婦問題」と同じように取り返しのつかないことになるのではないかと思うのだが・・・。

「少しでも有ったのではないかと認めたら最後である」?
ちょっと発言が粗雑すぎるように思うが…