米、野菜、肉類は全く糧は敵に依るを得たり（第十軍の陸軍次官宛報告）

1938年11月18日付「丁集団総合報告」（陸支密大日記」1938年第二冊）より。
（吉田裕「天皇の軍隊と南京事件」86頁より孫引き）
丁集団とは第十軍のこと。カタカナを平仮名に書き換えた。

丁集団作戦地域は地方物資特に米、野菜、肉類は全く糧は敵に依るを得たり

これを読んで後で引っかかったのが、「敵」という言葉だ。第十軍が食糧を掠奪していた対象は「敵」である中国軍でなくて、農村住民からである。
つまり、第十軍の報告では、「敵」の範疇が地域住民まで拡大されているのだ。

参考；第十軍憲兵上砂少将の回想
http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20050430