2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

軽視される「(小泉氏の)国立戦没者追悼施設構想への冷淡さ」

小泉首相の参拝問題については、「靖国参拝への固執」と「国立戦没者追悼施設構想への冷淡さ」、この2つのコントラストをセットで考えるべきではないだろうか。 にもかかわらず、「不戦の誓いだから問題ないでしょう」といった主張の多くは、小泉首相が「国…

「反」靖国というよりは「脱」靖国のストラテジー

ブックマークより。http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060828/p1 kurokuragawa 靖国, 宗教 全肯定も全否定も無理です http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060829/p1 shin-ohara んー。云いたい…

「靖国参拝=戦没者慰霊の正統的方法」というマインドコントロール

戦前の国家神道の時代では、靖国神社は公的な宗教施設であり、靖国参拝は戦没者慰霊における「正統的方法」だった。 しかし、戦後、靖国神社はひとつの新興宗教にすぎなくなった。 いま、靖国参拝は「戦没者追悼」の一形態にすぎず、決してスタンダードでも…

餓死した兵士を供養する/追悼するという難問に、どう向き合うのか

昨日書いたことの再確認になるが、 ・靖国参拝が戦死者追悼の唯一の方法ではない。 ・死んだ者の魂は「靖国に眠っている」とは限らない。確かめようがない。 そういう不確かさの中で、(戦死者を追悼しようと欲する者は)どこで、どのような追悼の方法を選択…

「戦地で死んだ者を追悼する」イコール「靖国参拝」ではない

戦地で死んだ者の霊はどこにいるのか、本当は誰にもわからない。*1 靖国神社は戦死者をひとまとめに「合祀」していると言うけど、ひとりひとりの「霊」が靖国神社に集まっているという客観的根拠はない。 いや、「霊」はいろいろなところにいる、だけど靖国…

神隠し、ならぬ「遊就館隠し」現象?

26日に引用したマッコイさんの以下の発言に対して、私の思ったこと。 保守派のあいだにもここを誤解している人が結構いて、靖国を「反戦のための神社」だとか(曽野綾子)、「不戦の誓いをする場」だとか(小泉首相その他大勢)、「戦争を反省する場所」とか…

ある靖国神社支持者の考え

マッコイ博士の見解。 http://d.hatena.ne.jp/drmccoy/20060825 てっくさんのコメント欄でも「そもそも慰霊と鎮魂の場であるべき靖国神社に戦争博物館があるのは座りが良くないと思います」などと書いている人もいましたが、これも誤解です。靖国は慰霊と鎮…

靖国問題と憲法改正問題の接点(私見)

再度kechackさんの「Munchener Brucke」より引用するが http://d.hatena.ne.jp/kechack/20060822 靖国参拝の是非が中韓の圧力への嫌悪の問題にすり変わってしまっている。 日本が戦争責任論まで外圧嫌悪感情を利用して曖昧にしようとする工作には徹底して抗…

戦争責任を「敗戦責任」に矮小化させるメソッド

首相の靖国参拝を支持する人は、日中戦争等に国民を動員した戦争指導者の責任をどう考えているのだろうか。 http://mrkt.blog11.fc2.com/blog-entry-484.htmlにコメントしてみる。*1 ブログ主KTさんの主張(エントリより) いわゆるA級戦犯合祀など、この靖…

ヨージ・ヤマモト、NHK「視点・論点」で戦争について語る

山本燿司さん、NHK「視点・論点」の「文学の中の戦争」シリーズの7回目に出演。 自分の文章を淡々と読み上げる。父が南方戦線で死に(餓死と述べたかどうかははっきり覚えていないが、補給船すらなかったことには言及していた)、母ががむしゃらに働いて子を…

「戦争動員責任」と「戦争協力責任」

話が前後するが、http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060817/p1の補足。 「戦争協力責任」という概念を加える。 いわゆる「二分論」における「動員された一般国民」も、軽重の差はあれ戦争に協力/加担したという事実は消えないだろう。

1941年に始まっていた?「日中戦争の忘却」(または大東亜戦争正当論に見られる概念操作)

http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060819/p1#cでのコメント、ありがとうございました。とくにスワンさんの問題提起は重要ですが、少し自分の中で消化途中ですので、とりあえず自分のコメントを再掲します。 一般国民が(動員されることで)日中戦争に加担…

日中戦争に関する「二分論」はこのまま葬り去られるのか?(メモ)

http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20060809/p2#cよりswan_slabさんの発言。 swan_slab (略) 木走氏のエントリコメント欄はその後、お約束といっていい、歴史相対主義的な議論、仕方がなかった論、人間の性論の洗礼をへているわけですが、「ヒトラーよりスター…

再び「エスピー報告」の悪質トリミング問題について

既に多くの人が指摘していることですが、南京事件をめぐるアメリカの「エスピー報告」のトリミング問題について。(本ブログでは2回目) 太字の部分がトリミングされてしまいがちな部分です。 南京米大使館・作成者 米副領事 ジェームス・エスビー 確認者 3…

「日中戦争を直視しない現象」

さて「戦争動員責任」をどう考えるか、という論点は「自衛戦争」だったのか否か、という論点に直結している。「自衛戦争だった」認識ならば(戦争指導者や靖国神社の)戦争動員責任はスルーできるが、「自衛戦争とはいえない」認識ならば(戦争指導者や靖国…

靖国神社自体も「戦争動員責任」があるはずだ

さらにスルーされがちな問題として、靖国神社自体が「戦争動員システム」の一翼を担ってきたという歴史的事実がある。つまり、靖国神社自体も「戦争動員責任」があるはずだ。

「戦争動員責任を直視しない」現象

さて、全国戦没者追悼式で、国会の代表者(衆院議長)が、はじめて「戦争動員責任」に言及した。 画期的であると同時に、これまでの60年政府や国会が「戦争動員責任」をスルーしてきた、という事実を直視する必要がある。 河野洋平衆院議長は15日、全国戦…

戦争動員責任と侵略行為責任

「戦争責任」という概念は曖昧に用いられることが多い。 そこで、自国国民への「戦争動員責任」と、他国国民への「侵略行為責任」という2つの概念を用いる。

NHKスペシャル「日中戦争」を見ました(3)…逃亡兵=便衣兵と勝手に解釈してはいけないでしょう

http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20060814/1155505691での、南京事件の「便衣兵」をめぐるfinalventさんと私とのやりとりを転載します。 きっかけはfinalventさんの、NHKスペシャル「日中戦争」に対する要約の、以下の記述。 南京で便衣兵が多かったと解せ…

NHKスペシャル「日中戦争」を見ました(2)

finalventさんがNHKスペシャル「日中戦争」の感想を書かれているのですが、 http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20060814/1155505691 笑えるとまではいわないけど乙な作品でした。 という感想にはピンときませんでした。それ以前に、「乙」という言葉はどうい…

NHKスペシャル「日中戦争」を見ました(1)

(間違えて12日付けにしましたが、エントリ作成は13日夜です)ちなみに、8月16日(水)深夜【木曜午前】1時10分〜2時24分に再放送されます。既にHiromix2004さんが内容の要約をされていました。 http://d.hatena.ne.jp/Hiromix2004/20060813#p6 【日中戦争/…

三笠宮崇仁氏関連2つ

ゆうさんの「南京事件 小さな資料集」に、三笠宮崇仁氏関連の雑誌記事と、書籍からの引用が掲載されています。「THIS IS 読売」1994年8月号54〜56頁 小川哲雄氏「日中戦争秘話』31〜34頁http://www.geocities.jp/yu77799/nihonjin.html#mikasa

現代史サマーセミナーの報告記事

とても内容が濃いセミナーのようです。1日目は南京事件関連です。http://blog.livedoor.jp/mygod_bass/archives/50677030.htmlhttp://blog.livedoor.jp/mygod_bass/archives/50679732.html

世界に私見を「リリース」しているという自覚はあるのだろうか

・発言者にプレッシャーを与えるのが「表現の自由への侵犯」ということなのだろうか。しかしブログであれサイトであれ、ウェブ上に発言を「リリース」するということは世界に私見を「公開」していることである(もちろん、コメントを投稿することも同様であ…

コメント削除される

「本と音楽と映画と煙草」というブログの2つのエントリで、私のコメントが削除されたので、ここに掲載します。削除されたコメント以前のやりとりはリンク先を参照。 http://blog.livedoor.jp/slavesambo/archives/50365699.html#comments Posted by 青狐 >…

「南京事件=ただのプロパガンダ」説のアキレス腱は「日本軍史料」

某所でのコメントを転載します。 「南京事件ー国民党の極秘文書から読み解く」(草思社)のダイジェスト版とも言える「正論」7月号の東中野修道氏の記事については拙ブログ http://d.hatena.ne.jp/bluefox014/20060604で批判を加えました。 いわゆる「中国の…

米、野菜、肉類は全く糧は敵に依るを得たり(第十軍の陸軍次官宛報告)

1938年11月18日付「丁集団総合報告」(陸支密大日記」1938年第二冊)より。 (吉田裕「天皇の軍隊と南京事件」86頁より孫引き) 丁集団とは第十軍のこと。カタカナを平仮名に書き換えた。 丁集団作戦地域は地方物資特に米、野菜、肉類は全く糧は敵に依るを得…

Apes! Not Monkeys!さんの書評を3つまとめて紹介

吉田裕、『天皇の軍隊と南京事件 もうひとつの日中戦争史』、青木書店 http://homepage.mac.com/biogon_21/iblog/B1604743443/C673208941/E20060721115027/index.html藤原彰、『天皇の軍隊と日中戦争』、大月書店 http://homepage.mac.com/biogon_21/iblog/B…